CUD

人にやさしい色づかいを カラーユニバーサルデザイン

視認性を良くし、宣伝効果を最大限に

街に溢れるデザイン。交通誘導、案内看板、様々な広告など、公共性の高いものから企業・店舗の案内まで様々なデザインが私たちの目に入ってきます。その多くは自分に興味のないものであり、印象に残ることなく流れていきます。興味のあるものでも紛れてしまい見過ごしてしまうものも少なくありません。この見やすさをわける「視認性」を高め、宣伝効果を最大限にいかしましょう。

可読性の高さが理解を深める

「可読性」いわゆる文字や文章の読みやすさは視認性を高めることもありますが、理解を深めるのに必要不可欠となります。フォントの大きさや太さ、行間、余白、また色づかいも関係します。読みづらい文字や文章は途中で読むことを諦めたり、そもそも視認されることがない場合も出てきます。

色づかい、デザインの違いで人の脚を止め視認、可読させることで集客率、購買率が変わります。

少しでも多くの方の目にとまる、「視認性」「可読性」の高いカラーユニバーサルデザインを取り入れてみませんか?

カラーユニバーサルデザインとは

色覚(色の感じ方)は、味覚や嗅覚と同じように実は人それぞれ異なります。このため、見分けやすくするための色使いが、人によってはかえって見分けにくくなるなど、色による情報を正確に受け取れず困っている人たち(色弱者)がいます。 各々の色の見え方によって伝わる情報が異なってしまったのでは困ります。色弱者だけでなく、一般的な色覚の方も含めて、誰に対してもきちんと正しい情報が伝わるように、色の使い方などにあらかじめ配慮することを「カラーユニバーサルデザイン」といいます。

愛知県発行「視覚情報のユニバーサルデザインガイドブック」より

色の影響力を知り、使ってみる

実は街には一部地域に景観法といわれる法律によって建物自体やサインにも大きさや色などの規制があります。また、そこに暮らす人のファッションやメイク等には発信された流行色を使い、多くのメーカー・企業・人がとりいれています。しかし、近年では色が及ぼす印象や自分に合った色が研究されていてカラーコーディネーターやメイクの「イエベ」「ブルベ」などのキーワードが流行り、色はより大きな影響を与えていることを認識されました。また、より科学的に色覚刺激による心身パフォーマンス改善について研究されていたりもしています。色は機能的に私たちの生活の中に溶け込んできています。

人によって色の認識は異なる

一方で色の見分けのしづらい、かつて色弱、色盲と言われた色覚多様性の方や高齢者に多い白内障、緑内障を患う方の存在も忘れてはいけません。色覚多様性と言われる方は全男性の5%、全女性の0.2%の方が症状があり、およそ320万人といわれています。また、緑内障は40歳以上の約5%、白内障に至っては80歳以上ではほぼ100%が発症するといわれ、これにより色覚の変化のある方も多く、色覚多様性の方を含め500万人ともいわれています。

カラーユニバーサルデザインに取り組む団体

このような現状を改善するため2001年より科学者向けに「色覚バリアフリー」を啓発する活動を行ってきたチームが2004年10月に「特定非営利活動法人カラーユニバーサルデザイン機構(通称CUDOクドー)」として設立されました。
普及の必要性が求められるようになり、愛知を中心としたCUDOの賛助会員が集い、2015年より「NPO 人にやさしい色づかいをすすめる会」が設立されました。

「NPO 人にやさしい色づかいをすすめる会」とは愛知を中心としたCUDOの賛助会員が集い、この活動を加速させるため、CUDOの協力を得ながら2015年1月に非営利団体「人にやさしい色づかいをすすめる会」を設立されましました(2017年10月より「NPO 人にやさしい色づかいをすすめる会」と名称表記を変更)。
当社も会員として参加しています。

3点のチラシ案があります。レイアウトに大きな違いはありませんが以下のような意図を持って制作してあります。

パステル調の淡い色づかいの広告

良くあるタイプの色づかいやデザインの広告です。優しいイメージで、一般色覚(C型)には特に問題なく視認できる方が多いのではないでしょうか。

見やすさのためコントラストを際立たせた広告

できるだけ色と色が重ならないようにしてあります。グラフの部分に関しては色だけの区別ではなく破線にしたり、色が認識できなくてもどの線が何を表すか明確にしてあります。

見やすさとインパクト重視の広告

大きな面積を占める部分に濃い色を配置し、書体もより見やすく太めの書体を用い、インパクトあるイメージを狙っています。地図内、グラフ内に伝えたいことを目立つよう配置し、最終的に行動に繋がる、お問い合わせ先である社名・連絡先を目立たせ行動に繋がりやすく配置してあります。

多くの方に視認されやすいビジュアルはモノクロにするとわかりやすいと思います。3点の広告をモノクロにして並べてみました。 『カラーユニバーサルデザイン』を採用するうえで最も簡単で効果的な方法かも知れませんね。

見え方の違いをまとめたポスターをご用意しました。

様々な企業もカラーユニバーサルデザインに取り組みをしており「NPO 人にやさしい色づかいをすすめる会」のサイトで紹介されています。「カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット ガイドブック」では“推奨配色セット”や“見分けやすい組み合わせ”等が掲載されておりこちらを参考に制作されると、体感的にわかりやすいつくりになっています。

NPO 人にやさしい色づかいをすすめる会

カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット ガイドブック

世界で取り組みがされているSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標です。視認においても“誰一人取り残さない”取り組みをしていきます。